2022.8.26掲載


「宇宙の光をガラスに閉じ込めたらどんなに美しいだろうか…」
そんな想いをきっかけにソフトガラスの可能性をとことん
追求した作品作りがはじまりました。



まるで高温の酸素バーナーとボロシリケイトガラス(耐熱ガラス)で制作したような作品の数々…
でも実は驚くことに、作品の全てを「キナリガラスロッド」と「ファンバーナー」を使って作られているそうです。

これから始めようと思われる方や、始めて間もない方、すでに色々な作品作りに挑戦されている方、そんなみなさんへも制作の参考になればと、作家の鈴木大輝さん
(ASTRO CRAFT)に今回特別に、作品制作などについてのお話をうかがいました。




Q. 早速ですが、現在の手法や作品デザインが確立するまで、どの程度の期間試行錯誤されましたか?
: 普通にエアバーナーで「とんぼ玉作り」を始めながらも、ボロシリケイトガラスの「フューミング1」と呼ばれる色あいや宇宙的な作風にとても興味があり、吹きガラスの経験もあったので "自分らしい" 作品を作ってみたいと思うようになりました。
もちろん酸素バーナーやボロシリケイトガラスへ移行することも考えたのですが、やはり使い始めたこの「エアバーナー」と「ソフトガラス」で作れたらおもしろいなッ!と、きっかけは単純でした。

けれど、結果的には
2年間くらい試行錯誤を繰り返しながら、作っては失敗の繰り返しの日々でした^^;)
今でもまだまだ納得いく作品は多くはありません・・・・




Q.銀窯変やインプロージョン技法で気を付ける点や難しい点を教えてください。
:当初ガラスロッドの先端をつぶしてドットなどを打ち込む「インプロージョン2」もしていましたが、模様の入り込み具合なども満足いかず、今はステンレスパイプの先にガラスを巻取り、ブロー(吹き)したものへ、ドットなどを打ち込む制作技法が主になります。
もちろんブローした肉厚の薄いガラスの保温や形状維持、模様入れ込み(インプロージョン)の際の炎の当て方など難しい点はありますが、できあがる模様の深みなど良い雰囲気を作りやすいと感じています。

「銀窯変(銀箔)
3」についてはその時その時の酸化や還元の微妙な炎の状態で色に変化がでてしまうので、今でもとても苦労しています。基本的には神秘的な深い青色の変化を目指していますが、その時その時に出合う色を楽しみながら制作しています。


※1
<フューミング>
高温の炎で、金や銀を気化させ、ガラスに蒸着させる着色技法。(耐熱ガラスと酸素バーナーでの参考画像)


※2
<インプロージョン> 
酸素バーナー技法で、ロッド先端を平たくつぶした面や、管状のガラスの側面や内部にドットや線などの模様付けをし、ガラス内部に立体的な模様を表現する技法(耐熱ガラスと酸素バーナーでのインプロージョン参考画像)


※3
<銀窯変(銀箔)>
 銀(箔)とガラスの含有物質などが合わさり、炎の性質(酸化・還元)によって青、黄色、白など様々な予期せぬ色あいに変化


Q.色々なエアバーナーがありますが、どうして「ファンバーナー」を使い続けているのですか?
:他の方は分かりませんが、僕の場合には拡散炎のやわらかい炎と、ファンからのエア量の感じなど、他のバーナーも色々試してみたのですが、「ファンバーナー」が銀窯変作業時の変化具合が(自分の感覚では)一番適していると感じています。
もちろん、壊れないのでずっと使っているということもありますが…(笑)





Q.作業場を見せていただけますか? 何か作業場の工夫などはありますか?
:長時間作業することも多いので、バーナーはテーブルへ埋め込み、高さが低くなるようにしています。
道具類などはキルン(電気炉)以外には、「マーブルモールド」類や「ピンセット」など、"とんぼ玉制作"にも使用するようなものばかりです。




Q. 具体的に銀窯変インプロージョンの制作手順をご紹介いただけますか?
: おおまかではありますが、ブロー、銀箔、ドットのような流れの制作になります。
(※ファンバーナーとC1透明ガラス使用)

1.ブローパイプ先端にクリアを取る 2.同じ厚みになるようにブローする 3.ブローしたガラスの先端3割程度に銀箔を付け、ガス量をしぼった炎(酸化炎)で銀箔を炙る


4.銀箔が半透明状態で黄色味を帯びた(窯変状態)あたりでさらにブローして電球のような形状にする 5.銀箔部分にクリアで点打ちをする 6.点打ちした範囲を溶かしインプロージョンを起こす


7.支え箇所を入れ替えブローパイプより切り離す 8.余分なガラスを処理する 9.再度支え箇所を入れ替える


10.&11.先端部に残る余分な銀箔をピンセット等で取り除きながら形状を作る 12.背面に色などを付け、ループ部の制作などペンダントの形状に仕上げる


Q. 鈴木さんの作品には人工オパールが入っていますが、どうして割れないのですか?
: 膨張の問題もあり、ガラスにとっては異物となるため、特にソフトガラスへは通常では取り入れられないものと思いますが、電気炉を使い様々な徐冷温度域を長年試しながら、現在ではなんとか安定して作品作りをできるようになりました。販売後の割れ発生(後割れ)を一番回避しなければいけないため、徐冷についてはプログラムを何段階にも分け、徹底的に時間をかけて作業しています。
現在に至るまでには、正直に言うと、数えきれないくらいの作品を無駄にしてきています…(涙)




Q.今後の作品制作イメージなどを聞かせてください。
:最近は要望もあり、「ガラスペン」なども制作しています。作品形状が変われば制作手順なども微妙に調整が必要となり、色の出方など難しい点もでてくるのですが、作業をはじめるととても奥深く、どんどんガラスのおもしろさに魅了されています。
また窯変やオパールを使用せず、ガラスの色あいを生かしたような作品作りにも、どんどん挑戦していきたいと考えています。




Q.最後に今からバーナーワークを始める方や、制作されている方へのメッセージをいただけますか?
:みなさん同じかもしれませんが、限られた予算やスペースの中で自分にあった趣味を探されるのかと思いますが、僕にとってはそれがソフトガラスとエアバーナーを使ったものでした。
とても小さな作業場で生まれる作品が、誰かにとって大切な宝物になる…、そして喜んでもらえる。
こんなに嬉しいことはありません。 もちろん自分の中で"自分らしい作品"や新しい作風を考えて、試して、完成して…、苦労はたくさんありますが、その作業工程そのものが、一番気持ちが高揚する自分自身への宝物で大切な時間です。

独学の方も、教室で練習されている方も、基本的には自分の作りたい作品を目指して楽しんでいただけたらと思いますし、今回ご紹介させていただいた「銀窯変インプロ」技法にも是非挑戦してみてほしいなと思います。



今回は、大変貴重なお時間をありがとうございました。





「星の煌めきが幻想的に広がる本や映像でしか見たことがない世界」
「もしそれが『カタチ』になったら、どんなに素晴らしいだろうか…」



ASTRO CRAFT 作品

11の制作に時間を要するため、直接作品に触れる機会も少ない貴重な「ASTRO CRAFT」作品。
画像を見てももちろん素敵ですが、実際の作品にはより複雑な色みと奥行きを感じることができ、とても素敵な雰囲気を得られる作品となっております。

自分好みのデザインや、大切な方へのプレゼント、鈴木さんの技法に挑戦してみようと思われる方にも、
1つはお手元に置いて触れていただきたい大変素敵な作品ばかりです。

ペンダント(ネックレス)類や、一部マーブル作品を
弊社楽天サイト(作家作品)でご紹介させていただいておりますので、ご興味のある方は是非お買い求めください。


 

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